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消化不良の原因  ⑧酸化した油やトランス脂肪酸を使用した食品 ~その3 質の悪い油について~

油(脂質)について、ようやく題名の通り「質の悪い油」という話を
書いていきたいと思います。

前回は油の種類・分類や「質の良い油」について書いていきました。
今回は「質の悪い油」についてです。
言葉の通り、摂取することをできる限りは避けるようにした方がよい油です。

では、どのようなものが「質の悪い油」なのでしょうか?
まずは「酸化した油」です。
酸化とは一般的に物質が電子を失う化学反応のことであり、
酸素と結びつく反応や水素が奪われる反応が起こります。

そしてこの酸化はもちろん油にも起こります。
油は酸素のほかにも光や熱、水や金属などにも反応して酸化します。
すると過酸化脂質という身体に有毒な成分が作られます。
この成分は動脈硬化や発がん性物質などの原因となるとされています。


一番身近な「酸化」としては、「加熱による酸化」だと思います。
空気による酸化というものも身近ですが、加熱による酸化の方が
油の劣化を早めるため、「質の悪い油」へとなりやすいのです。

加熱調理には炒める・煮る・揚げる・焼く・蒸すなど様々な方法が
ありますが、油を使う割合が比較的高いです。
油は種類によって温度が異なりますが、臨界温度というものがあり、
その温度以上に加熱すると有害物質が発生し、油によっては
トランス脂肪酸に変化してしまうものもあります。
しかし臨界温度以下で使用していたとしても、何度も加熱したり
空気に触れさせていれば油は酸化してしまいます。

なので、油を使う際は油の種類によって使い分けることがポイントとなります。
油は酸化しやすいものや酸化しにくいもの、加熱調理に向き不向きのものが
あるので、その用途にあったものを使うことが大事です。

具体的にはオリーブオイルを使用することがおすすめです。

◎関連記事はこちら→[油の種類]



では「酸化した油」と見分けるためにはどのような点を見ればよいのでしょうか?
ポイントとしては5つあります。
低い温度で煙が出る油
温度が下がった時に粘りが出る油
泡が消えにくい油
色の濃い油
不快なにおいのする油


①は一部の油を除いて、油は通常240℃以上で発煙しますが、酸化した油は
通常の発煙点よりも低い温度(170℃程)で発煙します。
②は酸化の際に油の脂肪酸に酸素が結合することで、より大きな分子となります。
そして、酸化により発生した化合物の影響で油に粘りが出てきます。
③は例えば新しい油で揚げ物をした場合は素材から生じる水蒸気の泡立ちがあり、
この泡はすぐに消えます。
しかし、酸化した油で揚げ物をした場合は消えにくい泡が生じます。
④は酸化が進むと油は色が濃くなり、使う前の色から褐色に変化していきます。
⑤は酸化が進むと、油臭い不快なにおいが発生します。


「トランス脂肪酸」については次回に書いていきます。

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