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ブログ 47の心得: 2019年9月

心得19 安らかに逝くとは「自然に死ねる」ということ ~その②家で安らかに逝く方法~

今回は「家で安らかに逝く方法」というテーマです。







家で看取る場合、注意しなければならないのは「点滴」です。

毎日針を差し替えるのは痛く、医者の側も面倒なため、
大抵は身体のどこかの静脈に管を留めて四六時中、点滴
をすることになります。


そうすると、どうしても点滴の量がオーバーしてしまい、
身体が水膨れしてむくんでしまうのです。

そのむくみが肺に及ぶと肺は水浸しになるので、プールで
溺れたときのように呼吸は乱れ、咳やタンも出るという
大変な苦しみが生じます。


結論から言うと、点滴をしないで枯れ木のようになって
死んでいくのが一番ラク
なのです。
ただ、一切点滴をしないというのは本人も家族も勇気と
覚悟が要ります。
何とか栄養を摂らせたいという思いも手伝って、やはり
点滴をしてしまい、患者さんを「溺死」させることになる。





話は少し変わりますが、医療では患者さんのためを思って
作り出した方法が、問題の種になることがよくあります。


例えば、鼻から食道、胃に至る管で栄養を流し込む
「鼻腔チューブ」、お腹に穴をあけて胃に直接チューブを
差し込んで養分や水分を送り込む「胃ろう」などがあります。

こうした強制的に栄養を与える方法がなかった時代は、
人は事故や脳卒中で昏睡状態に陥ったら、それで一巻の
終わりでした。

無理やり口に食べ物や飲み物を流し込むと、
肺のほうに入って肺炎で亡くなる。
栄養を与えなければ餓死が待っている。

しかしその代わり、植物状態で何年も生き続けることは
ありませんでした。


このようなことから、在宅医療なら現代医療のおせっかい
を受けずに自然に死ぬことができます。

そうした意味で安らかに逝くとは「自然に死ねる」という
ことだと、近藤氏は考えています。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得19 安らかに逝くとは「自然に死ねる」ということ ~その①ガンは死の直前まで意識がはっきりしている?~

今回は「ガンは死の直前まで意識がはっきりしている?」
というテーマです。






近年、ガンの末期でも家で安らかに逝けることが少しずつ
知られてきて、「家で死にたい」という患者さんや「家で
死なせたい」という家族が増えてきています。


ある80代の患者さんは、頭頸部のガンにかかって放射線治療
をしました。
しかし、再発したので「もうこれ以上は治療しないほうがいい」
と家に帰しました。

家では近所の開業医の往診を受けていましたが、家族の話では
死の1時間前まで意識がしっかりしていて、眠るような最後
だったと言います。
ガンは亡くなる直前まで頭がはっきりしていることが多いのです。




痛みについて言えば、近藤氏の経験上、胃ガン・肝臓ガン・
食道ガン・子宮ガンの4つは放置すれば年齢に関係なく、
最後まで痛まない
そうです。

他のガンや治療の結果の痛みが出たとしても、苦痛を抑える
「緩和ケア」に詳しい医者を見つけることで、在宅でも痛みは
コントロールすることができるのです。






<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得18 ガンの痛みは完璧にコントロールできる ~ガンで自然に死ぬのはすごくラク?~

今回は「ガンで自然に死ぬのはすごくラク?」
というテーマです。






近藤氏は30年間、「どうしたらガン患者さんが最も苦しまず、
最も長生きできるか」
という観点から、無理や矛盾のない
治療方針を考え抜いてきました。


そして「ガン放置治療」に到達したのです。
「がんもどき」なら転移の心配はなく、「本物のガン」なら
治療をしてもしなくても死亡率に差がなく、延命期間も同じ。
ならば、そのガンによる痛みや機能障害が出たときに初めて、
痛み止めや放射線治療、場合によっては外科手術をすればいい。

「これは世界で最も新しい治療法・考え方であり、最善の
対処法である」と近藤氏は確信しています。



ガンで自然に死ぬのはすごくラク。
健診などで無理やりガンを見つけ出さず、もし見つかっても
治療しなければ逆に長生きできる。


これは日本人が大人になってかかる、他のほとんどの病気
にも言えることです。


現在は、様々な情報を比較的簡単に収集することが可能です。
そうした豊富な判断材料により、ご自身にとってより良い人生
を自分で切り開いていきましょう。







<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得17 痛みは怖くない。モルヒネを正しく使えば、安全に長生きできる ~モルヒネは正しく使えば、中毒にならない?~

今回は「モルヒネは正しく使えば、中毒にならない?」
というテーマです。







死の恐怖とともに「痛みの恐怖」はとても大きいものです。
逆に痛みをうまくコントロールできることがわかっていれば、
心穏やかに旅立てるかもしれません。

死の間際に相当痛む代表的な症状は、骨にガンの転移が出たとき。
転移したガンが増殖して、ガンの塊が大きくなると骨膜を内部
から押し広げます。
その時に、何らかの化学的な物質が出るのか、単に膜が引き
伸ばされる痛みなのか、ともかくひどく痛む。




しかし、痛みを取る方法が確立しているので怖がることはないのです。

第一の方法は鎮痛剤です。
まず非麻酔系の鎮痛剤を、口から飲みます。

痛みが取れない場合は、第二の方法として弱い麻酔系の鎮痛剤
使用します。

それでもダメな場合は、第三の方法としてモルヒネを内服か座薬
の形で使用します。



ここでしっかり覚えておいてほしいことは「モルヒネは正しく使えば、
中毒になったり、死期を早めたりする心配はない」
ということです。

中毒や依存症になる危険があるのは、1回ごとに注射する方式で
モルヒネを使ったときです。


注射だと血中濃度が急上昇したときに脳が反応して気持ちよくなる
という状態になり、依存することで止められなくなるわけです。

第一次・第二次世界大戦では負傷した兵士たちに大量にモルヒネ注射
が用いられたので、終戦後も長くモルヒネ依存症に苦しむ人が続出
しました。

そんなこともあり、中毒・依存のイメージからテレビドラマなどで
医師が「モルヒネ中毒になるかもしれない」「死期を早めるかもしれない」
などと語る場面が出てくることもあります。


その点、内服や座薬、また点滴の形ならモルヒネの血中濃度はジワジワ
と上がり、上限があるので、中毒の心配はありません。


但し、モルヒネは安全になったとはいえ、便秘や吐き気などの副作用
が出ることはあります。
その場合、副作用を軽くする薬を併用しなければならず、毎日数回
決まった時間に使用しなければならない煩わしさもあります。

また、代表的なモルヒネ、MSコンチン錠の30mg錠を1日に2錠飲んだ
として、1ヶ月で42000円(患者負担分も含めて病院に支払われる金額)、
1年間で510000円にもなります。
中には1日に数十錠も使う人もいるので、一生使い続けるということに
なると、社会的負担は非常に大きくなります。








<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得16 「医者から薬をもらう」を習慣にしてはいけない。 ~その②耐性菌に殺されないために、薬漬けから足を洗う~

今回は「耐性菌に殺されないために、薬漬けから足を洗う」
というテーマです。






どこの国にもいると思いますが、薬をもらわないと納得しない
患者さんが多いのも問題です。


そして、抗生物質や抗菌剤が大量に使われるほど、「菌の耐性化」
問題が生まれます。




そんな日本は今、世界ワーストの院内感染国です。

感染症の患者から検出した黄色ブドウ球菌のうち、院内感染を
引き起こす耐性菌MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が
占める率の国際比率を見ると、イタリア42%、アメリカ40%、
イギリス37%、スペイン36%、ドイツ9%、オランダ0%、そして
日本は「70~80%」と先進国中ワーストです。



細菌やウイルスの中で抗生物質・抗菌薬が効かないものを「耐性菌」
、あるいは「菌が耐性化した」
と言います。

菌が耐性化するとこれまでの薬が効かないため、簡単に治せるはずの
症状が悪化し、命に関わります。


最近問題になっている「多剤耐性菌」は一つの薬だけでなく、様々な
薬に対して耐性を持つ菌です。



そんな耐性菌に感染しやすいのは、手術後の患者や高齢者など抵抗力が
落ちていて、抗生物質を長く投与されている人です。


日本では抗生物質の過剰投与は人間だけではなく、家畜やペットにも
広く行われています。
例えば、豚の場合は病気の治療だけでなく、成長促進剤としても飼料に
添付されています。
そうしたことも日本に耐性菌が蔓延する原因になっています。



よく「医療が発達しているから日本人は世界一長寿」と言われますが、
もっと大きな原因があります。
第二次世界大戦までは日本人の死因の多くは胃腸炎、肺炎、結核など
の感染症でした。
しかし、戦後は栄養・衛生状態が良くなり、寿命がどんどん延びたのです。

欧米の19世紀以降の死亡統計を見ても、結核、はしか、チフスなど
全て栄養・衛生が改善されると急減し、抗生物質やワクチンが導入
される以前に死亡率は下がりきっています。


今の日本に薬に頼らないと治らない病気はほとんどありません。
耐性菌に殺されないためにも、「薬漬け」から足を洗うことが大事です。







<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

心得16 「医者から薬をもらう」を習慣にしてはいけない。 ~その①日本と欧米の医療はここが違う~

今回は「日本と欧米の医療の違い」というテーマです。







オランダ駐在から戻ってきた人が、「医療が日本とあまりに
違うので仰天した」と言っていました。

その人は、子供が熱を出したので家庭医に連れて行ったら、
「家に帰って身体を冷やしなさい。3日して熱が下がらなかったら
、またいらっしゃい」と言われただけで、解熱剤や抗生物質、
その他の薬も全く、くれなかったそうです。



欧米には"家庭医"というものがいます。

日本ではあまりなじみのない名称かもしれませんが、欧米では
広く認知された医療の専門分野の1つです。
1人の医師が内科や小児科、外科や皮膚科、産婦人科など様々な
範囲の診療を総合的に行うものであり、専門医とは異なります。


「学校の先生」を例に説明すると少しわかりやすいかもしれません。
専門医が英語・国語・数学・世界史・日本史・物理・化学・生物など
各教科の高校の先生であれば、家庭医は国語から体育まで担任の先生
が全ての教科の基本的な部分を教えてくれる小学校の先生のような
ものです。

つまり、家庭医として診療したうえで必要があれば専門医のもとへ
紹介する
というシステムなのです。
特にオランダは家庭医と専門医のすみ分けがはっきりしていて、
薬もなるべく使わない方針です。



しかし、日本の医療は"フリーアクセス"といって、保険証1枚で誰もが
日本全国どこの開業医、どこの大学病院へ行っても構わないという
システムです。


そして、少しでも体調が悪ければ薬をどんどん出します。
手術の時も、術前に1回使えば十分というエビデンス(根拠)を無視して、
今でも「術後の感染予防のため」と言っては何日も抗生物質を点滴
し続けています。






<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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