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栄養素について  その他のビタミンB群  ①ビオチン

前回までアルコールにより失われる栄養素について書いていきました。
その中でビタミンB群は特にアルコールによって失われやすい栄養素
あることがわかります。
さらにビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB群の中の
栄養素を単独で摂るよりも複数で摂る方がより効果的です。

この作用の点などからその他のビタミンB群についても書いていこうと思います。

ビオチン
ビオチンはビタミンB群の1つでビタミンHやビタミンB7と呼ばれることもあります。

働きとしては他のビタミンB群の栄養素と同じように炭水化物(糖質)
の代謝の過程で酵素の働きを助ける補酵素の役割を担っています。

糖のエネルギーは脳や神経組織などに使われるため、糖の代謝は重要です。
糖質をエネルギーとして作り出す際に、燃えカスとして乳酸が発生し、
乳酸は溜まってしまうと疲労の原因となります。
そうならないために体内では乳酸を肝臓に運んで、乳酸から再び糖質を
作り出しています。
この循環のことを「糖新生」といい、まず乳酸がピルビン酸に変化して、
さらに酵素(カルボキシラーゼ)の働きによりオキサロ酢酸に変化して、
糖質へと作り変えられます。

このときビオチンはカルボキシラーゼという酵素の働きを助ける補酵素
として働いて糖質の代謝を助けています。

なのでビオチンが不足すると糖質の代謝がうまく行われず、身体がエネルギー
不足になることで疲労感や倦怠感などの状態になります。


また皮膚や粘膜の健康維持に関わっています。
先ほどビオチンが補酵素として働いているカルボキシラーゼという酵素は
タンパク質の代謝にも関わっており、タンパク質は皮膚や粘膜、髪の毛など
身体の構成組織を作ります。
なのでビオチンが不足するとカルボキシラーゼという酵素の働きが低下し、
皮膚や粘膜、髪の毛などがうまく作ることができず、肌荒れや脱毛などの
症状が起こったりします。

さらにビオチンは亜鉛とともに核酸(DNA)の合成に対して補酵素として
働き、タンパク質の合成を助けています。

この働きにより皮膚の細胞が規則正しく生まれ変わることで、健康な状態を
保つことができるのです。

他にも皮膚炎を改善する効果があります。
ビオチンは皮膚の炎症や痒みの原因となるヒスタミンという物質の産生を抑える働きがあります。
この働きにより皮膚の改善が期待され、アトピー性皮膚炎の治療に有効とされています。


ではビオチンはどのような食材に含まれているのでしょうか?
[ビオチンを多く含む食品]
動物性食品:レバーサケニシンカレイイワシ
      ヨーグルト牛乳など。

植物性食品:納豆のりピーナッツアーモンド菜の花
      トマトほうれん草マイタケエノキマッシュルームなど。

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