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心得10 健康な人は医療被ばくを避ける。CT1回でも発ガンリスクあり。 ~その②「とりあえずCT」の被ばく線量は、国が避難目安にした数値と同じ?~

今回は「CTの被ばく線量は、国が避難目安にした数値と同じ?」
というテーマです。






CT検査では360度全方向から身体にX線を当てて、検出結果を
コンピューターで計算し、人体の輪切り映像を見て診断します。

被ばく線量はX線撮影の200~300倍とされており、たった1回の
CT撮影でも発ガン死亡のリスクが生まれる被ばく線量なのです。



具体例:45歳の人の場合
全身CTを1回受けただけで1万人中8人(0.08%)、30年間毎年同じ
検査を受けると1万人中190人(1.9%)が「被ばくにより発ガン死亡
する」と推測されています。



また、胸部だけのCT検査でも医療被ばく線量は信じられない数値
になります。

原発事故の後、国が避難の目安にした「年間」の被ばく線量は
20ミリシーベルトでした。

胸部CT検査は1回でその半分の10ミリシーベルト前後に達します。

しかも、一般的に「造影CT」といって1回撮影した後、造影剤を
静脈に注射しながらもう1度撮影するので、2回で20ミリシーベルト
となります。
腹部・骨盤CTはさらに被ばく線量が多く、1回で20ミリシーベルト
となり、造影CTまでやればその倍になります。



なお、レントゲン検査について病院での検査は比較的安全ですが、
会社や地域の健診を検診車で受ける場合は要注意です。

なぜなら、検診車のレントゲン装置は間接撮影装置なので、病院
などに設置されている直接撮影装置と比べると、被ばく線量が
3~10倍多くなると言われているからです。




しかし、医者も患者も「とりあえずCT」・「何でもCT」という風潮
からか、国民の被ばく線量は増え続けており、日本で医療被ばくに
よるガンで亡くなる人は推定毎年2万人前後と言われ、ガン死の原因
の6%を超えているという説もあります。





<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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