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心得9 「ガンだったから仕方ない」と考えてはいけない ~その①切り刻むのが大好きな白衣の紳士たち~

今回は、「切り刻むのが大好きな白衣の紳士たち」という
テーマです。






その昔、江戸時代には武士が暗闇に紛れて路上などで人を斬る
という「辻斬り」が横行していました。
その目的は刀の切れ味や自分の腕前を試すことと言われており、
幕府が禁令を出すほど人を斬りたい武士が多かったのです。


外科医の中には、「やるからには徹底的に治療する」という医者
としての使命感から、「辻斬り」のように患者さんを斬っていく
医者もいます。



日本人は欧米人に比べ、体形が手術向きであり、手術での死亡率も
欧米に比べて少なかったことから、日本は歴史的に手術の盛んな国
とされ「手術絶対主義」が根付いています。


その結果、「治る見込みがない」・「他の治療法の方が明らかに成績がいい」
・「患者さんの寿命を縮める」手術が頻繁に行われているのです。



例えば海外では、1期の咽頭ガンといえば放射線治療をするから、
9割近くが咽頭を残せます。
でも、日本では1期でもどんどん切ってしまうのです。

また、舌ガンも進行度にもよりますが、初回治療として手術はほとんど
必要ないのに、日本では8割も手術が行われて、大抵リンパまで取って
しまうのです。
2期の舌ガンでは舌を半分切り取るため、舌があったところに他から
取ってきた筋肉を埋め込む再建術も必要で大手術となります。
また手術が成功しても、後々ろれつが回らなくなったり、食事を摂る
際に不自由になるというおそれもあります。

他にも、子宮頸ガンは手術ゼロにすることもできるのに、7割はリンパ
まで大きく取ってしまうことで、排尿・排便障害、膣が短くなる、足が
むくむなどの後遺症のおそれが生じます。






<参考文献>
近藤誠(2012) 医者に殺されない47の心得 アスコム

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