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「高血圧→脳出血」に騙されてはいけない

今回は「高血圧→脳出血に騙されてはいけない」というテーマです。



なぜ人々は降圧剤を飲むのか?

1つには「脳出血が怖い」という思いがあるようです。

よく、医師から血圧が高いと血管が切れて脳内に出血し、半身不随や寝たきりになるという話を聞きます。



しかし、この話は都市伝説だと言われています。

日本が第二次世界大戦に負けた直後、東北地方では脳卒中といえば脳出血、という時代がありました。
それを医師たちは高血圧のせいにしたのですが、これは因果を逆に捉えています。

というのも、脳出血があるとそれまで血圧が低かった人でも、身体は脳の障害部位に血液を届けようとするため、高血圧になります。
そのため、脳出血した人の血圧を測ると必ず高くなることから、医師たちは「高血圧→脳出血」という流れの思い込みが生まれたとされます。

そして、昔に比べて血圧を測るようになった現代においては、低血圧の人でも脳出血が生じます。
つまり、脳出血の主原因は血圧以外にあるはずなのです。



振り返ってみると、敗戦直後の日本は荒廃し、食糧不足に陥っていました。
人々は飢え、痩せて、平均寿命は50歳にも届きませんでした。

それは国民の栄養状態が悪く、身体の組織や臓器が弱かったと考えられ、脳血管も何かの拍子に簡単に切れてしまって、脳出血を引き起こしたのではないかと思われます。

しかし、敗戦後の経済復興で国民の栄養状態が改善するとともに、脳出血は減少していき、今では脳梗塞の半分以下です。

こうしたことも、脳出血の原因が「低栄養」であったことを裏付けています。






<参考文献>
このクスリがボケを生む! 〜「ケモブレイン」にならない13の知恵〜
(学陽書房・2019)
著者:近藤誠

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