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胃薬で、ボケやせん妄が起こる?

今回は「胃薬で、ボケやせん妄が起こる?」というテーマです。

※せん妄:幻覚、妄想、興奮、失見当識を起こしている状態のこと。
簡単に言うと、「軽いパニックを起こしている状態」、「周囲の状況が飲み込めず混乱している状態」です。



胃痛や胸やけを抑える胃薬でケモブレインになる人がいると聞いたら、さぞ驚かれることでしょう。


胃薬といっても、薬局で売っている「胃散」の類ではなく、医師が処方する胃薬です。

今回はその中で、「H2ブロッカー」について説明していきます。

H2ブロッカーと聞くとピンとこないかも知れませんが、薬局で買える「ガスター10」と聞くとわかる人もいるのではないでしょうか?
この薬の一般名は「ファモチジン」と言います。

つまり、H2ブロッカーは「ファモチジン」や「シメチジン」などの種の薬を総称する名称であり、胃酸の分泌を抑える薬です。


医療機関で処方された際に渡される説明書には、通常、「ガスター」・「タガメット」・「ザンタック」などの「商品名」が書かれているはずです。

しかし、この説明書は副作用の記載が不十分です。

そこで医家向けの「添付文書」を見てみると、次のようなことが書かれています。

[ガスターの重大な副作用]
●ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身発疹など)
●再生不良性貧血、白血球減少
●中毒性表皮壊死症(全身の皮膚が剥ける)
●肝機能障害、黄疸
●横紋筋融解症(全身の筋肉細胞が壊れる)
●急性腎不全
●間質性肺炎(発熱、咳、呼吸困難)

また、そのなかに「意識障害」や「痙攣」もあります。
つまり、ケモブレインです。






<参考文献>
このクスリがボケを生む! 〜「ケモブレイン」にならない13の知恵〜
(学陽書房・2019)
著者:近藤誠

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