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肥満は感染する⁉︎

今回は「肥満は感染する⁉︎」というテーマです。
 
 
研究データより、興味深いことがあります。
「Science」誌に2010年に掲載された論文によると、腸の中に細菌を持たない無菌マウスを太っているマウスと一緒に飼うと、太っているマウスの中の腸内細菌が無菌マウスの腸の中に感染し、著しい肥満になることがわかったのです。
 
太ったマウスの腸の中の特徴は「ファーミキューティス属」の腸内細菌が多いことです。
それに対して、痩せたマウスの腸には「バクテロイデス属」という腸内細菌が多いのです。
 
腸内細菌の種類が肥満の要因になることを示した最初の論文でした。
もしかすると、太った家系の人は家族から太る腸内細菌を移されていることが将来わかるようになるかもしれません。
現在、腸内細菌の遺伝子ゲノム解析により、肥満を起こす有望菌種116種類が同定されています。
 
太っている人の腸内に多い「ファーミキューティス属」の菌は、食べたものを過剰に消化し過ぎた結果、食べ物から栄養を吸収し過ぎてしまうことが最近の研究でわかってきました。
 
それに対して、スリムな人に多い「バクテロイデス属」の菌は、過剰に栄養を吸収しないので、痩せやすい体質にしてくれるのです。
 
このように痩せている人の腸の中に住んでいる腸内細菌と、太っている人の腸の中に住んでいる腸内細菌では、個体差があります。



<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証

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