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聴診器で診断できる身体の声

今回は「聴診器で診断できる身体の声」というテーマです。
 
 
聴診器はレントゲンのように被曝の心配もなく、非常に多くの身体の情報が得られます。
また、医療従事者だけでなく、誰にでも簡単に使うことができるところも便利です。
そんな聴診器で「身体の声」を聞いてみましょう。
 
聴診器を当ててチェックしたい部位は、①首②胸の上部(肺)③左胸(心臓)④腹部の4つです。
 
<こんな音が聴こえたら要注意>
①首の両側の血管に聴診器を当てます。
血管が細くなって詰まりかけているときには、「シュー、シュー」という音がします。
そんな音がしないか確認します。
首の血管(内頸動脈)が動脈硬化で詰まり、脳梗塞を起こす人が増えているのです。
 
聴診器によるチェックで狭窄が早期に発見できれば、血管内膜剥離術という手術で脳梗塞を防ぐことができます。
 
②両胸の乳首の少し上に聴診器を当てて、大きく呼吸をして、肺の音を聴いてみます。
例えば、喘息発作では息を吸ったときには「ヒューヒュー」という高い音、息を吐き終わるときには「ブーブー」という独特の低い音が聴こえます。
この時、普段から肺の音を聴いておけば、咳が出たときにただの風邪なのか、喘息発作なのかが大まかにわかるようになります。
 
また、心不全を起こしている人は肺水腫と言って、肺が水浸しの状態になっており、呼吸をした時に水が「ボコボコ」という音がします。
他にも、肺気腫になると肺が膨張するため、肺の音が遠くに感じるなど、聴こえづらくなります。
 
③心臓の音は左の乳首付近に聴診器を当てて聴き、リズムを覚えておきます。
鼓動のリズムが不規則な人の中には、心房細動の人がいます。
聴診器でチェックしたとき、鼓動のリズムが乱れると、心臓内で血液の流れが淀んで、血栓ができやすいのです。
それが脳に飛び、血管を詰まらせてしまうことで、脳梗塞になる危険性があります。
 
④腹部はヘソの辺りに聴診器を当てて、10秒以上聴きます。
普段から腸の音に親しんでいると、腸が詰まったり、捻れたりする腸閉塞のときに聞こえる金属性雑音(遠くでキン、キンと金属の管を叩いたような音)などの異変に気付くことができます。
何より、聴診器で身体の声を聴いていると、自分との対話ができて、心が落ち着くようになるでしょう。



<参考文献>
医者が患者に教えない病気の真実
(幻冬舎・2013)
著者:江田証

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