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栄養素について  その他のビタミンB群  ②葉酸

続いてのビタミンB群は「葉酸」です。


葉酸
この栄養素はほうれん草の葉から発見されたビタミンであり、名前からは
わかりにくいかもしれませんがビタミンB群の一種です。
別名でビタミンMやビタミンB9とも呼ばれています。

働きとしてはタンパク質の合成や核酸(DNA)の合成に関わっており、
細胞の産生や再生を助けたり、身体の発育を促したりします。

こうした働きから細胞分裂が活発な胎児の正常な発育に欠かせない栄養素といえます。
この胎児の細胞分裂が盛んな時期に葉酸が不足してしまうと、核酸が
正常に働かなくなり、先天性疾患を引き起こしやすくなります。
特に神経管閉鎖障害の発生リスクが高くなるほかに、流産や死産の
確率も高くなるため、リスク軽減のためには葉酸の摂取は重要です。


<参考>
神経管閉鎖障害:妊娠初期の器官形成期に胎児の脳や神経を形成する過程で起こる
        先天異常のことであり、大きく「無脳症」と「二分脊椎症」の2つに分けられます。
        「無脳症」とは妊娠11~14週頃のエコー写真でわかることが多く、胎児の脳が
        形成されていない状態、または欠損している状態でありほとんどが死産に
        繋がるとされています。
        「二分脊椎症」とは妊娠16~20週頃のエコ-写真や血液検査、羊水検査
        などでわかることが多く、神経管の障害が起きることで脊髄や脊柱が正常
        に作られず、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能の障害などが起こります。
        また合併症として水頭症などの障害があらわれるおそれがあります。



その他の働きとしては赤血球の合成を促すことで貧血の予防をします。
以前ビタミンB12の記事の時に少し書きましたが、貧血には鉄分の不足により起こる
「鉄欠乏性貧血」と赤血球が作られる過程中に普通の赤血球よりも大きな赤血球が
できることで起こる「悪性貧血」(巨赤芽球性貧血)
があります。
葉酸やビタミンB12の不足により起こる貧血は後者の「悪性貧血」です。
症状としては倦怠感やめまいなどがあらわれます。
また他にも舌の炎症や口内炎、手足のしびれや皮膚の感覚麻痺といった神経性の症状
などがあらわれ、悪化すると排尿障害や記憶障害、認知症などに繋がるおそれがあります。



そして動脈硬化の予防効果があります。
動脈硬化とは血管(動脈)の層が厚くなったり硬くなることで、血管の弾力性や柔軟性が
失われた状態の症状であり、血液の流れが悪くなることで脳出血や脳梗塞、狭心症や
心筋梗塞などの病を引き起こすおそれがあります。
葉酸が不足してしまうと動脈硬化の原因の1つである「ホモシステイン」という物質が増加し、
血中濃度が上昇することで動脈硬化のリスクが高まります。
「ホモシステイン」が増えると心血管疾患や認知障害、ガンなどを引き起こすおそれがあります。

この「ホモシステイン」を増加させないためには葉酸の他にもビタミンB12やビタミンB6などが有効です。


では葉酸はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[葉酸を多く含む食材]
動物性食品:レバー

植物性食品:納豆のり菜の花モロヘイヤほうれん草
      ブロッコリー春菊枝豆トウモロコシアボカド
      マンゴーイチゴなど。





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