月別 アーカイブ

HOME > ブログ > アーカイブ > 酵素栄養学 > 5ページ目

ブログ 酵素栄養学 5ページ目

栄養素について  その他のビタミンB群  ②葉酸

続いてのビタミンB群は「葉酸」です。


葉酸
この栄養素はほうれん草の葉から発見されたビタミンであり、名前からは
わかりにくいかもしれませんがビタミンB群の一種です。
別名でビタミンMやビタミンB9とも呼ばれています。

働きとしてはタンパク質の合成や核酸(DNA)の合成に関わっており、
細胞の産生や再生を助けたり、身体の発育を促したりします。

こうした働きから細胞分裂が活発な胎児の正常な発育に欠かせない栄養素といえます。
この胎児の細胞分裂が盛んな時期に葉酸が不足してしまうと、核酸が
正常に働かなくなり、先天性疾患を引き起こしやすくなります。
特に神経管閉鎖障害の発生リスクが高くなるほかに、流産や死産の
確率も高くなるため、リスク軽減のためには葉酸の摂取は重要です。


<参考>
神経管閉鎖障害:妊娠初期の器官形成期に胎児の脳や神経を形成する過程で起こる
        先天異常のことであり、大きく「無脳症」と「二分脊椎症」の2つに分けられます。
        「無脳症」とは妊娠11~14週頃のエコー写真でわかることが多く、胎児の脳が
        形成されていない状態、または欠損している状態でありほとんどが死産に
        繋がるとされています。
        「二分脊椎症」とは妊娠16~20週頃のエコ-写真や血液検査、羊水検査
        などでわかることが多く、神経管の障害が起きることで脊髄や脊柱が正常
        に作られず、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能の障害などが起こります。
        また合併症として水頭症などの障害があらわれるおそれがあります。



その他の働きとしては赤血球の合成を促すことで貧血の予防をします。
以前ビタミンB12の記事の時に少し書きましたが、貧血には鉄分の不足により起こる
「鉄欠乏性貧血」と赤血球が作られる過程中に普通の赤血球よりも大きな赤血球が
できることで起こる「悪性貧血」(巨赤芽球性貧血)
があります。
葉酸やビタミンB12の不足により起こる貧血は後者の「悪性貧血」です。
症状としては倦怠感やめまいなどがあらわれます。
また他にも舌の炎症や口内炎、手足のしびれや皮膚の感覚麻痺といった神経性の症状
などがあらわれ、悪化すると排尿障害や記憶障害、認知症などに繋がるおそれがあります。



そして動脈硬化の予防効果があります。
動脈硬化とは血管(動脈)の層が厚くなったり硬くなることで、血管の弾力性や柔軟性が
失われた状態の症状であり、血液の流れが悪くなることで脳出血や脳梗塞、狭心症や
心筋梗塞などの病を引き起こすおそれがあります。
葉酸が不足してしまうと動脈硬化の原因の1つである「ホモシステイン」という物質が増加し、
血中濃度が上昇することで動脈硬化のリスクが高まります。
「ホモシステイン」が増えると心血管疾患や認知障害、ガンなどを引き起こすおそれがあります。

この「ホモシステイン」を増加させないためには葉酸の他にもビタミンB12やビタミンB6などが有効です。


では葉酸はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[葉酸を多く含む食材]
動物性食品:レバー

植物性食品:納豆のり菜の花モロヘイヤほうれん草
      ブロッコリー春菊枝豆トウモロコシアボカド
      マンゴーイチゴなど。





栄養素について  その他のビタミンB群  ①ビオチン

前回までアルコールにより失われる栄養素について書いていきました。
その中でビタミンB群は特にアルコールによって失われやすい栄養素
あることがわかります。
さらにビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB群の中の
栄養素を単独で摂るよりも複数で摂る方がより効果的です。

この作用の点などからその他のビタミンB群についても書いていこうと思います。

ビオチン
ビオチンはビタミンB群の1つでビタミンHやビタミンB7と呼ばれることもあります。

働きとしては他のビタミンB群の栄養素と同じように炭水化物(糖質)
の代謝の過程で酵素の働きを助ける補酵素の役割を担っています。

糖のエネルギーは脳や神経組織などに使われるため、糖の代謝は重要です。
糖質をエネルギーとして作り出す際に、燃えカスとして乳酸が発生し、
乳酸は溜まってしまうと疲労の原因となります。
そうならないために体内では乳酸を肝臓に運んで、乳酸から再び糖質を
作り出しています。
この循環のことを「糖新生」といい、まず乳酸がピルビン酸に変化して、
さらに酵素(カルボキシラーゼ)の働きによりオキサロ酢酸に変化して、
糖質へと作り変えられます。

このときビオチンはカルボキシラーゼという酵素の働きを助ける補酵素
として働いて糖質の代謝を助けています。

なのでビオチンが不足すると糖質の代謝がうまく行われず、身体がエネルギー
不足になることで疲労感や倦怠感などの状態になります。


また皮膚や粘膜の健康維持に関わっています。
先ほどビオチンが補酵素として働いているカルボキシラーゼという酵素は
タンパク質の代謝にも関わっており、タンパク質は皮膚や粘膜、髪の毛など
身体の構成組織を作ります。
なのでビオチンが不足するとカルボキシラーゼという酵素の働きが低下し、
皮膚や粘膜、髪の毛などがうまく作ることができず、肌荒れや脱毛などの
症状が起こったりします。

さらにビオチンは亜鉛とともに核酸(DNA)の合成に対して補酵素として
働き、タンパク質の合成を助けています。

この働きにより皮膚の細胞が規則正しく生まれ変わることで、健康な状態を
保つことができるのです。

他にも皮膚炎を改善する効果があります。
ビオチンは皮膚の炎症や痒みの原因となるヒスタミンという物質の産生を抑える働きがあります。
この働きにより皮膚の改善が期待され、アトピー性皮膚炎の治療に有効とされています。


ではビオチンはどのような食材に含まれているのでしょうか?
[ビオチンを多く含む食品]
動物性食品:レバーサケニシンカレイイワシ
      ヨーグルト牛乳など。

植物性食品:納豆のりピーナッツアーモンド菜の花
      トマトほうれん草マイタケエノキマッシュルームなど。

消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ⑧ビタミンB2~

続いての栄養素は「ビタミンB2」です。


ビタミンB2
ビタミンB2は水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種であり、リボフラビンとも
呼ばれています。
三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂質の代謝を促進し、エネルギー代謝
を助ける働きをします。

特に脂質の代謝において補酵素として重要な働きをします。
脂肪を燃焼することによりエネルギー代謝や細胞の新陳代謝の促進を行ったり、
皮膚や髪、爪などを作りだしたり、粘膜を保護したりと様々な働きをします。

そのため不足すると脂質がエネルギーとして使われずに、体内に脂肪として蓄えられて
しまったり、皮膚や粘膜に影響を及ぼしてきます。
特に口の周りは影響が出やすく、口内炎や口角炎、口唇炎や舌炎など様々な症状が現れます。
またビタミンB2は目にも影響があり、眼精疲労や結膜炎、眼瞼炎(がんけいえん)、
目の充血といった症状が現れてきます。


そしてビタミンB2とアルコールとの関係ではアルコールと一緒に摂ると効果が低下します。
というのはアルコールは脂肪の分解を妨げる働きがあり、アルコールの摂取により身体は
脂肪の分解機能を維持するために多くのビタミンB2を必要として消費してしまうからです。



他にもビタミンB2は酵素(グルタチオンペルオキシターゼ)と一緒に働くことで
過酸化脂質の分解を促進する効果があります。
またビタミンEは過酸化脂質の生成を抑える効果があるため、一緒に摂ることで
より効果的となります。

ちなみに過酸化脂質とは、体内に蓄積すると動脈硬化や老化を進行させる有害物質
であり、動脈硬化は高血圧や脳卒中、心臓病などを引き起こす原因となります。



さらに糖尿病の予防という効果があります。
糖尿病は血糖値を下げる働きをするホルモンであるインスリンの分泌が減少すること
により、糖質の代謝がうまく行われなくなり血糖値の上昇を引き起こす病
です。
ビタミンB2は糖質(炭水化物)の代謝を促進する働きもあるため、糖尿病の予防という
効果が期待できます。



ではビタミンB2はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[ビタミンB2を多く含む食品]
動物性食品:牛レバー豚レバー鶏レバーウナギ
      サバサンマ牛乳ヨーグルトなど。

植物性食品:納豆アーモンドキノコほうれん草
      モロヘイヤなど。









消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ⑦カリウム~

続いての栄養素は「カリウム」です。


カリウム
カリウムはアルコールの摂取により尿と一緒に必要以上に体外に排出されて、
失う栄養素の1つです。

カリウムの働きとしては体内の水分調整を行います。
もう少し詳しく言うとカリウムは細胞の浸透圧を維持し、ナトリウムを体外に
排出する働き
があります。
話が少し逸れますが、イメージとしてはキュウリの塩もみがいい例です。
キュウリに塩を振るとキュウリの中の水分が出てきます。
これは塩(塩化ナトリウム)によりキュウリの細胞外の浸透圧が細胞内よりも
高くなることで中から水分が出てきます。

人間の身体も同じような働きがあり、細胞内にはカリウム、細胞外にはナトリウムが
存在していて細胞の浸透圧のバランスをうまく調整しています。

カリウムが不足、もしくはナトリウムを過剰摂取した場合などにより両者のバランスが
崩れてしまい、ナトリウム濃度が上がると身体は濃度を下げるために細胞内から水分
を出そうとします。
これが血管の細胞で起こることで細胞外液が増加し、血管壁が膨れて血圧が高くなり
高血圧の原因となります。
また高血圧に伴い、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞や脳卒中、腎臓病など様々な病を
引き起こすおそれがあります。

カリウムは腎臓でナトリウムの再吸収を抑制し、ナトリウムを尿と一緒に体外へ排出する
働きがあるため、血圧を下げる作用から高血圧の予防に効果的
とされます。

またカリウムは神経の機能や筋の収縮機能を正常に保つ働きがあります。
細胞内にはカリウム、細胞外にはナトリウムが存在しており、このカリウムとナトリウム
のバランスは筋の収縮にも関わっています。
カリウムが細胞外に移動したり、ナトリウムが細胞内に移動することで筋内に電流が流れ、
筋の収縮を行っています。

しかしカリウムとナトリウムのバランスが崩れてしまうと、正常な電流が流れなくなり
筋の収縮がうまく行われなくなってしまいます。



ではカリウムはどのような食材に含まれているのでしょうか?
[カリウムを多く含む食品]
動物性食品:にぼしするめ鰹節生ハム干しエビなど。

植物性食品:昆布ひじき納豆さつまいもほうれん草春菊
      キュウリアボカドバナナキウイメロンなど。



なおカリウムは熱に弱く、加熱により30%以上も失われてしまうため、調理の際は茹ですぎや煮すぎなど
に注意しましょう。


消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ⑥亜鉛~

続いての栄養素は「亜鉛」です。


亜鉛
亜鉛はアルコールの分解に関わる栄養素であり、アルコールの摂取により
消費されて失われます。

アルコールの分解については以前に書きましたが、主に肝臓で分解されます。
その分解は脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素という酵素の力によって
行われているのですが、亜鉛はこれらの酵素に働きかける補酵素としての役割
を果たしています。
補酵素とは簡単にいうと酵素をうまく働かせるために必要なものであり、ここでは
アルコール分解のための脱水素酵素は亜鉛がないとうまく働くことができないのです。
そしてアルコールを摂取するとアルコール分解のため、脱水素酵素が多く使われる
ために亜鉛が消費されて不足気味になります。

さらに亜鉛は他の酵素の活性化や構成成分などにも関わっているので、不足して
しまうと身体が酵素不足という状態になってしまいます。


また亜鉛は新陳代謝を促す働きがあり、核酸(DNA)やタンパク質の合成などに
欠かせない物質です。

そして亜鉛は活性酸素を抑える抗酸化酵素の構成成分にもなるため、活性酸素
による身体の酸化を抑えます。

そのため不足すると活性酸素により老化を招くおそれが生じます。
また活性酸素により悪玉コレステロールが増加することで動脈硬化、心筋梗塞と
いった生活習慣病を引き起こすリスクも高くなります。

さらに血糖値を下げるホルモンであるインスリンの生成にも関わっており、不足すると
インスリンの作用が維持できなくなり糖尿病などを引き起こすおそれがあります。


その他の働きとして味覚を保ったり、皮膚・髪・爪などの健康を維持したり、傷の再生
能力を早めたり、性機能の維持など様々な働きをします。



では亜鉛はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[亜鉛を多く含む食品]
動物性食品:カキ牛肉ラム肉牛レバー豚レバーチーズなど。

植物性食品:ゴマのり納豆豆腐きな粉アーモンドなど。








摂取のポイントとしてはお酢トマト梅干し果物ヨーグルトワインなどの酸味のあるもの
に含まれる有機酸にはマグネシウムを含むミネラル類の吸収率をよくする働きがあるため
一緒に摂るとよいです。
またビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が良くなるので、例えばカキにレモン汁をかけて
食べるという食べ物の組み合わせは理に適っているといえます。





消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ⑤マグネシウム~

続いての栄養素は「マグネシウム」です。


マグネシウム
マグネシウムはアルコールの摂取により尿と一緒に必要以上に排出されてしまう、
私たちの身体に必要な栄養素の1つです。

働きとしては次のようなものがあります。
1つ目はマグネシウムは体内の約300種類の酵素を活性化させる「補酵素」としての役割を
果たすので、私たちの人間の身体を健康に保つために非常に重要な働きをします。


2つ目は骨や歯の形成の働きがあります。
骨や歯といえばカルシウムというイメージが強いと思います。
確かに骨や歯の形成にはカルシウムが必要ですが、マグネシウムも共に骨の構成成分と
して必要なものであり、骨の組織を維持する働き
があります。
具体的には骨の中にカルシウムの結晶を作るのに必要な酵素を助けたり、カルシウムが
骨や歯に行き届くように調整する働き
などがあります。
このようにマグネシウムとカルシウムは密接な関係にあるので、マグネシウムが減少して
しまうとカルシウムは骨内でうまく機能しなくなってしまい、骨量が減ってしまうため健康で
丈夫な骨を保つことができなくなり、骨粗しょう症といった病になるおそれが生じます。


3つ目は筋肉の働きを調整する働きがあります。
マグネシウムには血液中のカルシウムの量を調整する働きがあり、この働きが筋肉の
働きの調整に大きく関わっています。
どういう事かというとカルシウムは筋肉の収縮、マグネシウムは筋肉の弛緩に関わっており、
不足してしまうと収縮と弛緩のバランスが崩れてしまい、筋肉がうまく働かなくなってしまいます。
すると身体に痙攣が起きたり、心臓や血管がうまく収縮できずに心筋梗塞、心疾患といった病を
引き起こすおそれがあります。


4つ目は血圧を調整する働きがあります。
マグネシウムは血管を拡張する働きがあるので血圧を下げたり、血管が詰まったりすることを
防ぐことができ、正常な血圧の維持や血液の循環を保つことができます。

なので不足してしまうと血管の収縮が起こり、血圧が上がってしまい高血圧になるおそれが
生じます。


5つ目は肥満や生活習慣病を予防する働きがあります。
マグネシウムは体内の善玉コレステロールを増加させる働きがあるといわれ、慢性的な不足は
肥満を引き起こすおそれがあります。

またマグネシウムの不足はインスリンの機能の低下を招き、糖質と脂質の代謝が悪くなることで
血糖値が上昇します。
すると糖尿病や動脈硬化、虚血性心疾患などの生活習慣病のリスクが高まります。


6つ目は精神安定の働きがあります。
マグネシウムは精神安定に関わる神経伝達物質の生成に必要な栄養素であり、抗ストレス
ホルモンを作り出す副腎皮質の機能を助ける働きもします。

そのため「抗ストレスミネラル」とも呼ばれています。
なので不足してしまうと憂鬱な気分になったり、イライラや神経過敏、不安感などの症状が
あらわれてきます。



ではマグネシウムはどのような食材に含まれているのでしょうか?
[マグネシウムを多く含む食品]
動物性食品:イクラハマグリカキ干しエビ貝類など。

植物性食品:あおさひじきわかめのりゴマアーモンド
      大豆ほうれん草など。





マグネシウムはカルシウムと密接な関係であるため、この2つの栄養素をバランスよく
摂取することが大事
です。
マグネシウム:カルシウム=1:2の割合が理想的とされており、このバランスが保たれて
いると心臓や血管などの機能を正常に保ち、丈夫な骨や歯を保つことができます。


他に摂取のポイントとしてはお酢トマト梅干し果物ヨーグルトワインなどの酸味のある
ものに含まれる有機酸にはマグネシウムを含むミネラル類の吸収率をよくする働きがある
ため一緒に摂るとよいです。
またヨーグルトに含まれるビフィズス菌はちみつに含まれるオリゴ糖などもマグネシウムの
吸収を高める働きがあるのでおすすめです。


消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ④ビタミンB12~

続いての栄養素は「ビタミンB12」です。


ビタミンB12
このビタミンB12もアルコールの摂取により失われる栄養素の1つです。

働きとしては次のようなものがあります。
1つ目は貧血を予防する働きがあります。
普通、貧血というと鉄分の不足により起こる「鉄欠乏性貧血」と思われますが、
貧血の原因は鉄分不足だけではないのです。

その貧血は赤血球が作られる過程中に普通の赤血球よりも大きな赤血球が
できることで起こる「悪性貧血」(巨赤芽球性貧血)
といいます。
体内で赤血球が作られるには鉄分を原料としてビタミンB12と葉酸の働きに
より作られていきます。

しかしビタミンB12と葉酸が不足している場合には異常な赤血球が作られてしまいます。
赤血球は本来、酸素を体内に取り入れて、二酸化炭素を体外に排出する働きを
しますが、この悪性貧血になるとこの働きがうまく機能しなくなり、体内に十分な
酸素が供給されなくなることで酸欠状態となり、倦怠感やめまいなどの症状が出ます。


2つ目は神経の働きを正常に保つ働きがあります。
ビタミンB12は神経細胞の中にある核酸(DNA)の合成を助ける働きや細胞の材料
であるタンパク質の合成を助ける働きがあります。

なので不足すると細胞の合成や再生、修復などがうまく行われなくなり、皮膚や粘膜
に影響があらわれてきます。

また神経伝達物質にも関わりがあるので、不足状態になると神経過敏や憂鬱な状態になります。
なお神経系に支障がでると自律神経の働きが悪くなり、イライラしたり集中力がなくなったりと
精神的に安定しなくなります。

さらに悪くなると運動神経機能の低下や手足のしびれなどの症状が出てきます。

3つ目は睡眠のリズムを整える働きがあります。
睡眠のリズムは脳から分泌されるメラトニンというホルモンにより調整されています。
ビタミンB12はこのメラトニンの分泌を調整する働きがあり、睡眠のリズムを整えているのです。
しかしビタミンB12が不足するとメラトニンの分泌がうまくいかなくなり、睡眠のリズムが
乱れることで不眠症が起きたり、昼間に強い眠気がしたりといった症状があらわれます。


4つ目は消化器官の機能を整える働きがあります。
ビタミンB12は神経以外の細胞の合成にも関わっており、不足すると細胞分裂がうまく
行わなくなります。
すると胃や腸などの消化器官に障害が起こり、慢性的な下痢、胃の粘膜の委縮、
胃酸の分泌低下による消化不良や食欲不振などの症状があらわれます。


5つ目は動脈硬化を予防する働きがあります。
ビタミンB12はビタミンB6や葉酸とともに動脈硬化の原因の1つである「ホモシステイン」という
物質を抑制する効果やコレステロール値を低下させる効果があります。

ビタミンB12が不足し、「ホモシステイン」が増えると動脈硬化やアルツハイマー病になるおそれが
あり、さらに動脈硬化により心筋梗塞や脳梗塞といった病を引き起こす恐れもあります。



ではビタミンB12はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[ビタミンB12を多く含む食材]
動物性食品:レバーシジミアサリ赤貝ほっき貝
        などの貝類、イクラホタルイカなど。

ビタミンB12は動物性食品に多く含まれ、植物性食品には
ほとんど含まれていません。

そのため菜食主義者の方はビタミンB12不足になりやすく、
                   様々な影響が出るおそれがあるので注意が必要です。
                                                  なのでビタミンB12のサプリメントなどで補給すると良いと思います。



なおビタミンB12は水溶性ビタミンですが、そこまで水に溶けるわけではありません。
なので例えば、貝類を汁物にした場合は汁だけではなく貝の身も食べるようにすると
無駄なく摂取することができます。

そしてビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB6単独で摂取するよりも他のビタミンB群と
一緒に摂取する方が効果的
です。

消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ③ビタミンB6~

続いての栄養素は「ビタミンB6」です。


ビタミンB6
ビタミンB6はアミノ酸のトリプトファンからビタミンB群1つであるナイアシンを合成することを助け、
アルコールの分解に使われる栄養素であるナイアシンが不足しないようにする働きがあります。


ビタミンB6のその他の働きとしては次のようなものがあります。
まず重要な働きとしてタンパク質の代謝を助ける働きがあります。
食べ物に含まれるタンパク質を吸収するためには、アミノ酸に細かく分解してエネルギーへと
作り変える「代謝」を行う必要があります。

この代謝を行うのに必要な酵素の働きを助ける補酵素としての役割をしているのがビタミンB6です。
また私たちの身体を構成している筋肉や内臓、皮膚やホルモンなどの多くはタンパク質から
できており、ビタミンB6はその構成時に必要な栄養素でもあります。


さらにビタミンB6は脂質や炭水化物の代謝も助ける働きがあります。
私たちは脂質の代謝によりエネルギーを産生したり細胞膜の成分を作り出したりします。
またアルコールを多く飲む方にとって気を付けてもらいたいものとして肝臓に脂肪が蓄積する
病気である「脂肪肝」
があります。
この脂肪肝は自覚症状が少なく、悪化すると肝硬変や肝臓がんなどになるおそれがあります。
そして脂肪肝は血中の脂肪分が増えることにより血液がドロドロになってしまい、血流が悪くなります。
すると身体全体に血液が行き届かなくなるので、身体の毒素や老廃物などの排出が悪くなります。
このような代謝がうまく行われない状態になると細胞の機能が低下し、免疫力や抵抗力が低下
することで病に侵されやすい身体となってしまいます。

そんな脂肪肝を予防するためには脂質の代謝を助ける作用があるビタミンB6が効果的です。

そして動脈硬化を予防する働きもあります。
ビタミンB6はビタミンB12や葉酸とともに動脈硬化の原因の1つである「ホモシステイン」という
物質を抑制する効果やコレステロール値を低下させる効果があります。

ビタミンB6が不足し、「ホモシステイン」が増えると動脈硬化やアルツハイマー病になるおそれが
あり、さらに動脈硬化により心筋梗塞や脳梗塞といった病を引き起こす恐れもあります。


他にもビタミンB6は神経の機能を正常に保つ働きがあります。
神経細胞間で情報を伝える神経伝達物質の合成する作用があり、ビタミンB6が不足すると
手足のしびれやけいれんなどが起こったりします。


また皮膚の調子や女性ホルモンを整える働きがあります。
ビタミンB6は身体中にタンパク質を供給する働きがあり、皮膚や粘膜の健康を保つ効果があります。
そのため不足すると肌荒れや口内炎といった症状があらわれます。
そして女性ホルモンの1つである「エストロゲン」に作用し、ホルモンのバランスを整える働きが
あるので、月経前症候群の症状を抑える効果があります。

月経前症候群の症状としては肩こりや腰痛、頭痛やイライラ、倦怠感や憂鬱感などがあります。


ではビタミンB6はどのような食材に含まれているのでしょうか?
[ビタミンB6を多く含む食材]
動物性食品:マグロカツオサケサバといった魚類、
牛レバー鶏肉など。

植物性食品:ニンニクバナナなど。

ちなみにバナナは1本にビタミンB6が1日の必要推奨量の
約半分が含まれており、手軽に摂取できる点でおすすめです。



なおビタミンB6は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすい性質を持っています。
そしてビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB6単独で摂取するよりも他のビタミンB群と
一緒に摂取する方が効果的です。




消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ②ビタミンB1~

今回もアルコールにより失われる栄養素について書いていきます。


ビタミンB1
アルコールの分解は主にナイアシンが消費されるのですが、この分解が
ナイアシンだけでは追いつかない場合にビタミンB1も分解のために消費されます。


ビタミンB1は炭水化物(糖質)をエネルギーに変える働きがあります。
そのため、ビタミンB1は人間が生きていくために必要不可欠な栄養素です。
炭水化物のエネルギー代謝の仕組みとしては酸素と酵素とビタミンB1の働きにより、
体内でエネルギーへと変化します。
この時、ビタミンB1は酵素と結合して酵素の働きを助ける「補酵素」の役割を果たします。
なのでこのビタミンB1が不足してしまうと、エネルギー不足となり疲れを感じやすくなったりします。

またビタミンB1には疲れの原因である「乳酸」が体内に溜まらないようにする働きがあります。
乳酸は血液の流れが悪いと筋肉に溜まり、細胞の機能が低下してしまい疲労感が生じます。
この疲労が続くと身体の免疫力や抵抗力が低下し、病に侵されやすくなってしまいます。
こうした点からビタミンB1は疲労回復の効果を持つ栄養素といえます。

さらにビタミンB1には中枢神経や末梢神経などの神経機能を正常に保つ働きがあり、
脳や神経に対しても必要な栄養素といえます。
しかしビタミンB1が不足してしまうと、脳へのエネルギー不足によりイライラしやすくなったり、
精神不安定に陥ったりしてしまいます。


さらにビタミンB1の不足が続くとこれらの症状のほかに、ビタミンB1欠乏症として動悸や手足のしびれ、
倦怠感などの症状がある「脚気(かっけ)」や「ウェルニッケ脳症」になるおそれがあります。


<参考>
脚気:ビタミンB1不足により炭水化物(糖質)をエネルギーに変えることができずに起こる病。
   症状としては疲労感、息切れ、動悸、むくみ、食欲不振、手足のしびれなどがあります。
   重症化すると心不全を引き起こすおそれがあります。

ウェルニッケ脳症:ビタミンB1不足が原因で起こる病であり、症状としては歩行障害、
         眼球の運動障害、意識障害、けいれん、うつなどがあります。
         重症化すると昏睡状態から死に至ることもあります。




ではビタミンB1はどのような食材に含まれるのでしょうか?
[ビタミンB1を多く含む食材]
動物性食品:豚肉レバーハムソーセージうなぎ
      タラコサバブリなど。

植物性食品:大豆空豆えんどう豆ナッツなどの豆類、
      昆布のりとうもろこし玄米ぬか漬けなど。


なおビタミンB1は水溶性ビタミンのため、水に溶けやすい性質を持っています。
なので煮物やスープなどの調理の場合はその汁ごと食べることで無駄なく摂取することができます。
また疲労回復の効果としてビタミンB1とクエン酸を一緒に摂取することで、さらに効果的な回復ができます。
クエン酸は梅干しお酢レモンやグレープフルーツなどの柑橘系に含まれており、乳酸を分解する
作用があります。

ちなみに揚げ物はビタミンB1の損失が大きいため、調理法してはあまりおすすめできません。
調理法でおすすめなのは、「蒸す」・「煮る」です。

そしてビタミンB群は相互に補い合って働くため、ビタミンB1単独で摂取するよりも他のビタミンB群と
一緒に摂取する方が効果的
です。
ちなみにビタミンB1を効率よく摂取するためにはニンニクネギニラ玉ねぎなどと一緒に摂ると良いです。
これらの食材には「アリシン」という成分が含まれており、ビタミンB1と結合することで「アリチアミン」
という成分に変化し、ビタミンB1の吸収率が良くなるためです。


最後に注意してもらいたいことは、インスタント食品やレトルト食品、清涼飲料水を控えることです。
これらの食品には多くの糖質が含まれていますが、その糖質をエネルギーに変えるためのビタミンB1が
ほとんど含まれていません。

すると、糖質のエネルギー変換が追い付かずにビタミンB1が不足する可能性が高くなるため、
過剰摂取は控えるようにしましょう。







消化不良の原因  ⑨アルコール、タバコの喫煙、ストレス ~その3 アルコールにより失われる栄養素について ①ナイアシン~

前回、アルコールを摂取することで多くの栄養素が失われてしまうという内容を書きました。
今回はその「栄養素」について書いていきます。
栄養素は少し種類がありますので、1つ1つ書いていきたいと思います。


ナイアシン
アルコールの分解は肝臓で行われることは以前書きました。
その分解時に消費される栄養素としてビタミンB群の1つであるナイアシンがあります。
詳しくはニコチン酸とニコチン酸アミドの総称であり、ビタミンB3ともいわれます。

ナイアシンは酵素を活性化させる補酵素としての働きがあり、
アルコールの分解に不可欠なビタミンです。
また体内の代謝にかかせない栄養素であり、タンパク質や炭水化物、脂質からの
エネルギー産生補助や皮膚や粘膜などの健康維持などを助けます。

またナイアシンは必須アミノ酸であるトリプトファンを原料に体内で合成されます。

このナイアシンが不足したり、アルコール摂取量が多く分解が
追い付かない状態になると、吐き気やおう吐などの症状が起こります。



ではナイアシンはどのような食材に含まれるのでしょうか?
[ナイアシンを多く含む食材]
動物性食品:マグロカツオサバタラコ
      豚レバー牛レバー鶏ささみ鶏むね肉など。

植物性食品:マイタケえのきエリンギ
      しめじ大豆ピーナッツなど。


なおナイアシンは水溶性ビタミンのため、水に溶けやすい性質があります。
なので煮物など水を使った調理の際には煮汁ごと食べられるようにすると無駄なく
摂取することができます。

また肉類を油で揚げてしまうと20~40%ほど食材から失われてしまうため、
揚げ物はあまりおすすめできません。

ちなみに「こぶ茶」にはナイアシンの吸収率を低下させてしまう働きがあるため、
一緒に摂取しないように注意しましょう。


他にナイアシン摂取の点で意識してもらいたいことは、他のビタミンB群と一緒に摂取することです。
というのはビタミンB群は互いに協調しながら作用するため、単独で摂取するよりも複数で摂取すること
で効果が発揮されるからです。

<参考>
他のビタミンB群:ビオチン・葉酸・パントテン酸・ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・ビタミンB12



<<前のページへ12345678

« 酵素風呂の記事 | メインページ | アーカイブ | 白湯 »

きばこ酵素風呂

お電話でご予約下さい!

045-306-9874

住所
神奈川県横浜市港北区鳥山町387-2
定休日
不定休
営業時間
11:00~最終入酵 18:00
(短縮営業日あり)
*詳しくは『営業カレンダー』をご覧下さい

このページのトップへ
このページのトップへ